#童話や民話の起源 について、残念ながら今のところ、はっきりとしたことは
わかっていません。 ただ、確実にいえるのは、童話や民話といったものが
生まれたのは、人類がまだ文字を発明するよりも遥か以前、人類が共同生活を
はじめて体系的な言葉が生まれたのに合わせて、物語も誕生したという事です。
それでは何故、童話はこれほど長い年月もの間、人々に語り継がれてきたの
でしょうか? それは童話や民話には、文化や歴史の違いを超えて人間の
深層心理に訴えかけるものがあるからにほかなりません。
例えば人間には、森の奥の薄暗い空間に対する恐怖が本能的に備わっています。
そうした恐怖は、「ヘンゼルとグレーテル」「赤ずきん」などの童話に
反映されています。 また日本では、天狗の話や「こぶとり爺さん」など、
様々な妖怪譚などにそうした恐怖の原型を見ることが出来ます。
さらに、海の底には別の世界があり、人間はそれに関わってはいけない…
というメッセージは、「人魚姫」や「浦島太郎」の悲劇的な結末から
読み取ることが出来ます。
このように童話には、 #人間が本能的に持っている恐怖や不安を掻き立てる
要素があり、それが話を聞く人の心に強烈な印象を残す結果に繋がっているのです。
そして強烈なイメージを持った物語は、次の世代へとまた語り継がれる…
というわけです。
そういった意味では、 #童話の中に残酷な場面が多く盛り込まれている のも
うなずけます。逆に言えば、いつも平和で、登場人物すべてが善人という物語は、
人の記憶に残る可能性も薄く、歴史の中に消えていってしまいやすいと
いえるでしょう。
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